ベルセルク連載再開?作者不在でどう続けるのか

ベルセルクは1989年10月からヤングアニマル(連載初期はその前身にあたる雑誌『月刊アニマルハウス』)にて不定期連載していた人気漫画です。

作中の過去編にあたる『黄金時代編』が1997年にアニメ化されて知名度が上がり、以降2012年に黄金時代編映画化、2016年7月と2017年4月にその後のアニメ化を果たし、世界的にも支持される、日本産ダークファンタジーの筆頭と言っても過言ではない作品です。

そのベルセルクが、長い休載を経て2022年6月7日に連載再開を発表され、ネット上は歓喜の渦と化しました。

なぜここまでベルセルクの連載再開が話題になったのでしょうか。

目次

ベルセルクとは

長命漫画にもいろいろありますが、33年もの間人気が衰えることが無く、年単位の休載を何度も経ているのに読者がついて行き続け作者の集中力も衰えずに走り続けた作品というのはなかなか無いのではないでしょうか。

33年もかけながら、41巻しか出ていないことからもわかるように、ベルセルクは休載の多い漫画としても有名です。

しかしその休載の多さに納得してしまえるほど、圧倒的な画力に支えられた緻密な描写、ワクワクする世界設定、重厚なストーリー、張り巡らされた伏線、先が気になる展開、魅力的なキャラクター、等々。

漫画を構成する考えうる限りすべての要素一つ一つに真摯に向き合い、丁寧に一粒も取りこぼさないように編まれ続けた鬼作。

この一作の中には漫画好き・・・いえ、物語好きが求めるものすべてを込めるかのような読み応えがありました。

それくらい、ベルセルクが与えてくれる満足感』は随一のものであり、

それゆえ、突然の訃報に、ファンの皆が受けた『喪失感』は、筆舌に尽くしがたいものでした。

ベルセルク連載休止の理由

2021年5月20日、白泉社公式サイトにて訃報が公表されました。

同年5月6日、急性大動脈瘤解離のため、54歳で急逝。

ベルセルクは、作者の遅筆もさることながら、様々な要因や設定が複雑に絡み合った物語や描写から、

ついて行く読者作者自身も「死ぬまでに全部描き切れるのだろうか」とネタにされる作品でもありました。

それがまさか、54歳という若さで本当に筆を折ることになってしまうとは、誰も予想だにしていませんでした。

作者の手による最終話

2021年12月発刊の第41巻が、作者が手掛けた最終巻となります。

過去編である『黄金時代編』の最後に起こる『蝕』と呼ばれる儀式による惨劇を生き延びたものの、心が壊れ幼児退行してしまってヒロインのキャスカ

この20年以上描かれた旅路は、そのキャスカの安寧の地となるはずの妖精郷エルフヘルムを目指したものでした。

第40巻でついにそのエルフヘルム到着

さらにはエルフヘルムの王の手引きによってキャスカの心を目覚めさせるという悲願に成功。

20年以上待ち望んだヒロイン復活が叶い、作者も読者も感無量。

第41巻で、旅路を回想するイシドロに向かってパックに「なつかしーなァ もはや遠い昔のような気がするゥ 具体的に言うと20年くらい」と言わせている辺り、作者の「ようやくここまで描けた」という安堵がにじみ出ています。

しかし物語はまだ結末を迎えておらず、第41巻、むしろここから新たな動きが始まる…その証に最後の、本当に最後の一ページで、ずっと正体不明だった月下の少年の正体がついに暴かれたのです!

というところで!

今からさらに‼物語の真相に!向かっていく!という!ところで!!!

―――作者が先に旅立ってしまったのです。これは。これはもう。なんという罪づくりな。

最後の話も、後ろ数ページはペン入れすらされていなかった原稿を、作者の弟子が所属するスタジオ我画の手で仕上げられ、表紙絵やカラーを埋められ、発行されたのです。

ここで最終とするのは誰もが受け入れがたい、あまりにも酷なタイミングでした。

ベルセルク連載再開、その方法

作者死去から1年と1月と1日経った2022年6月7日ベルセルク連載再開が発表されました。

作者不在なのにどうやって!?

あのベルセルクを、他人に継がせられるのか!?

複雑な心境の元告知を読むと、そこには作者三浦健太郎を誰よりも知る人たちの並々ならぬ思いが綴られていました。

まず監修に付くのが、作者の学生時代からの大親友である漫画家森 恒二氏。

森先生は学生時代から三浦先生の自宅に泊まりこんで漫画を描いたり、一時期居候していたほどの旧知の仲。

そして、唯一作者からベルセルク完結までのストーリーを直接聞いていた人間です。

監修としてこれ以上ない人選です。

その森先生監修の元、原稿を描くのはベルセルクの作画アシスタントをこなしてきたスタジオ我画

漫画家三浦健太郎に最も近しい人たちが集結し、日常の中で他愛もなく生み出されてきた、作者本人が語ってきたベルセルクの今後のストーリーアイディアを互いにすり合わせ、死後見つかった構想メモキャラクターデザインを参考に漫画にしていくというのです。

しかし、森先生とスタジオ我画が強くこだわるのは『確かに残っている情報だけの再現』。

皆さんにお断りと約束があります。なるべく詳細を思い出し物語を伝えます。
そして三浦が自分に語ったエピソードのみやります。肉付けはしません。はっきり覚えてないエピソードもやりません。三浦が自分に語った台詞、ストーリーのみやります。当然完全な形にはならないでしょう。しかし三浦が描きたかった物語をほぼ伝えられるとは思います。

https://www.hakusensha.co.jp/information/63802/

漫画としては不十分なものになることを覚悟の上で、それでも「作者が生前話していたことから逸脱しないものだけを描く」という覚悟。

これは、並大抵のものではありません。

残っている資料を参考に、漫画として面白く肉付けした方が描く人は楽に決まっています。

しかし、あえて楽な道は取らず、未曽有の困難が待ち受けている未開の道を選ぶというのです。

作者三浦健太郎が、漫画ベルセルクが、どれだけ大事にされてきて、これから先もどれだけ大事にされていくのかがわかる覚悟の仕方をしてくださった。

これはもう、一読者として、見届けるしかないでしょう。

連載再開後の展開

まずは現行の『幻造世界篇/妖精島の章』のラスト6話までが連載されます。

その後は、妖精島の章が終わって次の章に移るだけで幻造世界篇がまだ続くのか、それとも新篇に移るのかはまだ公開されていませんが、話の流れ(妖精郷到着、キャスカ復活、月下の少年の正体判明)的にそろそろ幻造世界篇が終盤であること事態は間違いないと思われます。

ガッツキャスカの目の前で月下の少年が『彼』と肉体を同じくしていることが明らかになった以上、この主軸の3人の間にまた一波乱どころではないものが起こることは確定なので、目が離せませんっ!!

まとめ

前人未踏の手段による連載再開が公表され、制作陣はこの先、素人には想像もできない困難さに打ちのめされることも多くあるでしょうが、

ベルセルクファンは待たされることには慣れているので、どうか皆さまご自愛いただきながら、最後まで完走してくださるよう祈るばかりです。

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