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プリキュアオールスターズ映画の評判は?つまらない?面白い?劇場版感想まとめ【2023年版】

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プリキュアオールスターズの2023年版映画『プリキュアオールスターズF』。

販促イラストを見かけた人も多いとは思いますが、「プリキュアってこんなにいるの!?」「こんなに何十人ものプリキュアを出して、話がまとまるの?」と思う人もいるでしょう。

今回はそんな『プリキュアオールスターズF』を実際に見てきた私が、評判をまとめてみました。

目次

プリキュアオールスターズ映画の評判は?

『プリキュアオールスターズF』の評判は、プリキュアをよく知らない人でもハマる人は大絶賛しているし、プリキュアシリーズを全部追ってきた人でも合わない人は「過去最低」と酷評しているという、両極端なことになっています。

悪い評判

正直、絶賛している人たちの熱量がすごすぎて反対意見を探すのが大変だったのですが、反対意見を述べている人たちはかなり強い不満を持っている人たちが多いようです。

https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=19940

キャラクターの扱いが薄い

これはもう予想されていたというか、昨今のオールスターズの大きな課題でどうしようもない点ではあります。

今回登場したプリキュアはとうとう78人となり、下手すると5年後には三桁に入ってしまうかもしれません。

今回は思い切って選抜制でメインプリキュアを16人、それをさらに4組に分けて行動させることで16人のプリキュアはある程度出番がありましたが、他のプリキュアは一言喋ればいい方、セリフ無し(声優さんも呼ばれていない)プリキュアも多くいました。

この選抜制もやはり賛否両論…78人もプリキュアがいるのですから、全員を納得させる方が難しいというものですが…

『映画プリキュアオールスターズ F』(@precure_movie)さん / X (twitter.com)

なにせ20周年なので、5年以上前のプリキュアはさすがに直近のプリキュアに出番を譲るのは仕方ないにせよ、現行の『ひろがるスカイ!プリキュア(以下ひろプリ)』メンバーもソラとましろ以外は出番や掘り下げが少なく、ひろプリは未だメイン映画が無いことからも扱いの少なさを心配する声が上がっています。

監督のインタビューで「最初はオールスターズにするつもりもなかったのですが」とおっしゃっており、製作側は周年映画の度にオールスターズにすると決めているわけではないようです。

ただ、今回はラスボスがラスボスなだけに、ストーリー上総力戦にならざるを得なかったのでしょう。ストーリーとしては必要に迫られてのオールスターズとなりました。

情報が断片的でわかりにくい

今回は前半、ストーリーの説明が皆無です。

突然、本来の世界とは違う世界で目覚め、時折遭遇する敵を撃退しながらのサバイバル状態に放り込まれるプリキュアたち。

道中で会うキャラクターはせいぜい、今回の映画プリキュア『キュアシュプリーム』とその妖精『プーカ』以外皆無で、全員が記憶もあやふやなことから情報はゼロ

https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=19940
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とにかく、遠くからでも目立つまで行けば誰かいるだろうし情報が得られるだろうと、そんな心もとない理由でそれぞれが城を目指すことになります。

しかし、城下町に着いても「城の魔王がモンスターをけしかけている」ことしかわからず。

仕方なく城に乗り込み、襲い掛かるモンスターを蹴散らして魔王の元へ集ったプリキュアたちは、ようやく驚くべき絶望的な記憶を取り戻しますが———あまりにも絶望感が強すぎることと、時間の都合からか、今回のストーリーのベースであるその記憶が断片的にしか語られません

恐らくメイン視聴層である幼児には、今回のストーリーの前提がよくわからなかったことでしょう。

ラスボスの目的、改心の理由付けが弱い

この項目は重要なネタバレになります。

プリキュアたちが思い出した記憶は、キュアシュプリームの正体であるシュプリームに全滅させられ、世界ごと消滅した記憶

そう、突然訪れたシュプリームというラスボスに、プリキュアたちはオールスターズで立ち向かっても太刀打ちできなかったのです。

しかもこのラスボス、襲ってきた理由がただ「宇宙中を強いものを求め旅し、倒して回っていた」というだけ。

ドラゴンボールの世界観です。

これがドラゴンボールならすんなり受け入れられるのですが、歴代プリキュア映画は敵キャラにも背景や葛藤があり、プリキュアたちとのコミュニケーションや対話で心情が変化する様が丁寧に描かれてきました。むしろそちらのストーリーがメインと言ってもいいでしょう。

決してバトルだけで解決してきたわけではないのです。

それが今回は、キュアシュプリームとしてプリキュアたちと同行している最中のシュプリームの心情の変化はあまり見て取れず、最終決戦で自分が生み出した妖精プリムに本心を言い当てられ急に戦意が削がれ、オールスターズの全パワーの前に倒れたように見えます。

今までのプリキュアのようにラスボスを丁寧に掘り下げ、プリキュアたちとの心の交流を描いてほしかった、という煮え切らなさを感じた人は多かったようです。

ミラクルライトの説明不足

『映画プリキュアオールスターズ F』(@precure_movie)さん / X (twitter.com)

今回数年ぶりに復活することで話題となったミラクルライト

これは劇中プリキュアたちが掲げるものと同じ作りをしており、クライマックスでプリキュアたちを鼓舞するために実際に使用してもらうための、プリキュア映画を象徴するアイテムです。

今までは小さい子でもその意図が伝わるよう、冒頭で説明があり、クライマックスでプリキュアがタイミングを指示し、一斉に掲げるようになっていたのですが、今回はこの説明もタイミングの指示も一切ありませんでした。

このため、ミラクルライトをただのおもちゃと認識し、劇中やっためたらに振り回し続けるお子様続出。

私も、隣席のお子様3人が全員で開始前から終了後までずっと、周りの人の顔に光が当たるのも構わず振り回し続けたため、大変迷惑しました…

肝心なライトを掲げるタイミングも、劇場でプリキュア映画を見るのが初めてな子どもたちはよくわからず、ポカンとしてしまったり。

作品と一体感を持てるせっかくの演出が不発になってしまった感が否めません。

良い評判

一般的には高く評価する声が多いようで、興行収入も過去最多だった5年前の『映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』を超える勢いとなっています。

敵の強さが圧巻

https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=19940

前述しましたが、今回は敵の強さが、過去のプリキュア映画のなかでダントツとなっています。

なにせ、映画開始時点で一度、全プリキュア総出で戦って全滅、世界ごと消滅させられているのですから。

「すでに全員で全力を尽くして負けた相手」という絶望感は、並大抵のものではありません。

「今までのプリキュアと違って、ラスボスの心境がわからない」「プリキュアとの交流で心情の変化を描いてほしかった」という指摘もわかるのですが、

今回のラスボスに至っては、ラスボスの精神があまりにも人間離れしたものなので、恐らく既存のプリキュア映画の流れで情に訴えるパターンはむしろ効き目のないラスボスだったのではないかと、私は感じます。

しかし、それだけ心身ともに人外のものであったラスボスが「プリキュアと一戦交えて得た唯一の変化」、このたった一点の変化のために———という、あえてその一点だけに絞った最後の巻き返しは、意見が分かれるのでしょうが、人外好きの私としては大変好みでした。

全キャラ総出演

『映画プリキュアオールスターズ F』(@precure_movie)さん / X (twitter.com)

どうしても各キャラの掘り下げは限界のあったプリキュア78人総出演。

ただその代わり、全キャラ出ました。本当に全キャラ。

プリキュアだけでなく、妖精枠はもちろんのこと、プリキュアと共に戦った戦闘員メンバー、そしておそらく非戦闘員も、一瞬ですがありったけ描かれていました。

なにせFUJIWARAのお二人まで描かれたというのですから、恐らく本当に全キャラ描いたのではないでしょうか。

あまりにも一瞬なので、劇場で全キャラ確認するのは不可能ですから、円盤になるのを待ちましょう!

キャラの魅せ方がうまい

『映画プリキュアオールスターズ F』(@precure_movie)さん / X (twitter.com)

各キャラの掘り下げが難しかったとはいえ、その一瞬一瞬の出番で印象付けるのがとても上手かった、と強く思いました。

人魚キャラ同志を絡めたり、シールド技持ちを集めたり、

スイーツモチーフの『キラキラプリキュアアラモード』勢と食べ物モチーフの『デリシャスパーティプリキュア』の合体技を披露したりと、

共通点のあるプリキュア同志を一コマにまとめることで「一度見てみたかったコラボ」があちこちにさく裂していくのも圧巻でした。

願わくば、いつかキュアアンフィニやキュリオ、ブラックペッパー、マリちゃんなどの過去男子戦闘員とキュアウィングの絡みも見てみたいものです。

クライマックスの盛り上がり

『映画プリキュアオールスターズ F』(@precure_movie)さん / X (twitter.com)

今回最大の高評価は、やはりここでしょう。

クライマックスの盛り上がりが異常

まず挿入歌がいい。熱い。

なにせ、過去プリキュア主題歌を歌った歌手を集めた、これもまた夢の大共演なのです。

  • 吉武千颯(『スター☆トゥインクルプリキュア』前後期ED、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』前後期ED、)『デリシャスパーティ♡プリキュア』前期ED、『ひろがるスカイ!プリキュア』前期ED)
  • 礒部花凜(『Go!プリンセスプリキュア』OP)
  • 北川理恵(『Go!プリンセスプリキュア』前後期ED、『魔法つかいプリキュア!』OP、『映画 プリキュアドリームスターズ!』OP、『映画 プリキュアスーパースターズ!』OP、『スター☆トゥインクルプリキュア』OP、『映画 プリキュアミラクルユニバース』ED、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』後期ED、『ひろがるスカイ!プリキュア』OP)
  • 駒形友梨(『キラキラ☆プリキュアアラモード』OP)
  • Machico(『ヒーリングっど♥プリキュア』前期ED、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』OP、『デリシャスパーティ♡プリキュア』OP)
  • 宮本佳那子(『Yes!プリキュア5』前後期ED、『キラキラ☆プリキュアアラモード』前後期ED、『映画 キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』ED、『HUGっと!プリキュア』OP、『映画 プリキュアスーパースターズ!』ED、『映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』挿入歌、『映画 プリキュアミラクルユニバース』OP、『ヒーリングっど♥プリキュア』後期ED)

つまり、彼女たちの歌声に毎週鼓舞されてきた人なら、無意識にも胸が熱くなってしまう仕掛けになっているのです!

あまりにも強大すぎる敵と対峙しながら、彼女たちが歌う挿入歌が流れるところから戦況が逆転。

ミラクルライトを振りかざして次々とプリキュアが復活し、過去の思い出を背に戦う姿にカタルシスが止まらず、我を忘れて没入するファンが続出。

この感覚を忘れられず、リピートする人も多いようです。

プリキュアオールスターズ映画は小さい子には難しい?

今回残った大きな課題はこれでしょう。

いろんな意味で、メイン視聴者の子どもたちには難しい内容となってしまいました。

やはりプリキュアの人数が多すぎる、シリーズが多すぎるのは今後ネックになっていくと言わざるを得ません。

過去キュアを出すために現行キュア、直近キュアの出番がこれ以上減ると、小さな子にとっては「知ってるプリキュアがほとんど出なかった」「なんの映画かわからない」となってしまいます。

https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=19940

さらに今回は、敵の絶望感が大きすぎました

映画の回を重ねるごとに過去作以上の敵を出す必要性に迫られてしまう、というのは長期コンテンツの宿命ですが、今回のラスボスで絶望レベルを一気に跳ね上げてしまった気がします。

そのあまりにも大きすぎる絶望度を和らげる意味もあって、あえて敗戦した戦いの情報を断片的にし、オブラートにくるんだのでしょうが、

  • 絶望度が高すぎる
  • 何があったのかが分かりにくい

この二点は、脚本上仕方なかったにしても、プリキュアの視聴者層と求められているものを考えると一度切りしか使えない切り札を使ってしまったように思います。

一緒に見に行った子どもたちも、9歳児は「怖かったけど、最後は…うん。よかった」としみじみ納得の表情でしたが、6歳児は「コワカッタ…」とうつむいてしまいました。

ネット上の評判を見ても、理解の追い付かない小さい子は、無邪気に「たくさんプリキュア見られて面白かった!」となる子と、敵の絶望感に茫然となってしまう子に分かれているように感じます。

まとめ

『映画プリキュアオールスターズ F』(@precure_movie)さん / X (twitter.com)

長年プリキュアを追ってきた人も、最近はプリキュアから離れていた人も、一度でもプリキュアに関わったことがある人の多くを虜にしている今作『プリキュアオールスターズF』。

幼児向けとしては課題も残りましたが、終盤の盛り上がりの熱さは凄まじいものがありました。

しかし、今回で最後のカードをいろいろと切ってしまったようにも思え、「オールスターズ映画は今回で最後では」という噂に信ぴょう性をもたせることになっています。

興行収入の上がり方の速さも、その噂が後押ししているのかもしれません。

なんにせよ、プリキュアシリーズに胸を熱くした過去のある人は一見の価値ありです!

ぜひ自分の目で見て、今作の評価をしてほしいと思います!!

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